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【三浦野菜デザインvol.2】 「三浦大根」の美味しさを語り伝える

更新日:4月27日



連載企画の概要

【連載】三浦野菜の作り手を知り、魅力を伝えるデザインプロジェクト


地元良品JOURNEY三浦半島篇と鎌倉のテキスタイル研究所Casa de pañoとのコラボ企画「三浦野菜デザインプロジェクト」。三浦野菜の作り手や届ける仕事に携わる人にインタビューを行い、その魅力を「もよう」で表現します。完成したデザインはテキスタイルとなり、地元の人にも訪れた人にも長く愛される布製の日用品に展開します。


デザインは、旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告や絵本などのイラストレーションを手掛けるイラストレーターのスズキトモコさんが担当します。今回は、農家料理の先生としても活躍するやまさ園の吉田和子さんにお話を伺いました。




江戸時代以前より三浦の地で野菜や果物を育てる「やまさ園」の直売所は、三浦海岸駅から徒歩約5分の大通りにあります。平日の朝から新鮮な野菜を求めて地元のお客さんが訪れ、絶えず賑わっています。そしてお昼の時間になると、直売所の奥からは楽しげな声が聞こえてきます。そこには、三浦の伝統野菜である「三浦大根」にこだわりと並みならぬ愛を持つ吉田和子さんの姿がありました。





「三浦大根」と聞くと、三浦市産の青首大根を思い浮かべる人も多いですが、実は三浦大根と青首大根は別物。1kg前後の青首大根に比べてとても大きく、重さ約3kg、大きいものは5~8kgもあります。2つの大根の違いを尋ねると、「食べてもらうのが一番よ」と茶目っ気たっぷりに笑いながら、三浦大根の特長を教えてくれました。


「見た目は、青首大根に比べて柔らかい感じで、首まで全部白い。首が細くて根の方がふっくら太くなる「中ぶくれ」の形も特徴的。食感は、水分が多くて柔らかいですね。じっくり煮込んでも煮崩れせず、歯ごたえのある食感が三浦大根の持ち味ね。」





大正14年に正式に命名され、今年で100周年を迎える「三浦大根」。当時主流だった練馬大根をベースに、三浦在来種の高円坊大根との交雑改良によって誕生しました。長い年月の間、三浦の名産品として第一線で活躍していた三浦大根ですが、昭和54年の大型台風による絶滅危機と、核家族化によりコンパクトな大根の需要増加から、出荷量が全体の1%まで減少しています。市内の直売所では12月~3月上旬まで見かけることができますが、市場で扱われるのは、お正月用として年末の3日間のみ。今では、幻の大根になりつつあります。





今から32年前。とある農業のシンポジウムで、「三浦大根が減少しているのは、生産者のせいではないですか?」と言われ、吉田さんの心に火がついたそう。


育てやすい青首大根に比べて、三浦大根は土質を選ぶ。何より、重くて「中ぶくれ」な形だから、「なかなか抜けなくて腰にくるんですよね。三浦大根には、何度も泣かされました。でもね、やっぱり三浦大根は美味しいんですよ。私にできることは、料理。美味しい食べ方を発信することで、消費にもつながるんじゃないかと思って」


そうして、輪切りにした三浦大根と青首大根の食べ比べ体験から地道に始め、大根を使ったフルコース料理の考案、地域での食育活動など活動の幅をどんどん広げていきます。





一方で、最近では青首大根の美味しいレシピも次々と考案している吉田さん。


「今の時代、三浦大根はやっぱり大きすぎますからね。主流となっている青首大根も美味しく食べて欲しい。それから三浦大根の美味しさを残しながらも、今の時代にあった食べやすいサイズの三浦大根の開発にも期待しています。三浦大根から品種開発された、サラダ用のレディサラダは結構人気ですよ。」





朝から夜まで大忙しの彼女ですが、一体いつレシピを考えているのでしょうか。


「パーマ屋さんで読む料理雑誌からヒントをもらったり、外食先で出会った美味しいお料理に感動した時に『これを大根で作ってみたらどうだろう?』と発想を広げながらレシピを考えています。私、すぐに試すのが好きなんですよ。」





そんな料理が大好きで研究熱心なおばあちゃんのもとで育った孫の吉田真以さんは、


「長い年月をかけて溜まってきたおばあちゃんのレシピを残したい。私と同じ孫世代に、大根の漬物など日本の伝統食の作り方や三浦野菜の魅力を語り継ぎたい。」と思うようになったそう。そして、おばあちゃん直伝のレシピを集めた本の自費出版を決断します。





2025年3月27日発売の『未来につなげたい、農家直伝レシピ 三浦大根と私の台所』(発行者:吉田和子)には、三浦農家に嫁いだ吉田和子さんの奮闘記、大根を使った家庭料理のレシピ、大根の漬物や切干大根の作り方など、三浦野菜を味わい尽くすアイデアが詰まっています。


やまさ園の直売所でも人気の切干大根は、ドライフルーツのような食感と甘さ。その美味しさをおうちでも手軽に作ることができるなんて夢のようです。


取材日 2025/03/10

写真提供 日本テレビ

撮影   Yoichi Tsunoda



スズキトモコ / イラストレーター


新潟生まれ、東京都在住。武蔵野美術大学卒業後、映像制作会社に勤務したのち、フリーランスに。昭文社の旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告、キャラクター、教科書や絵本などのイラストレーションを手掛ける。2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。


GALLERY

畑の横を通る京急電鉄の線路沿いには、河津桜と菜の花が咲き誇り春の訪れを感じます。
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3月上旬の直売所には、採れたてのいちごや青首大根、手作りの割干大根や切干大根などが並びます
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青首大根を一気に6本持ち、トラックの荷台に運ぶたくましい姿。
青首大根を一気に6本持ち、トラックの荷台に運ぶたくましい姿。
2025年3月27日発売『未来につなげたい、農家直伝レシピ 三浦大根と私の台所』(発行者:吉田和子)
2025年3月27日発売『未来につなげたい、農家直伝レシピ 三浦大根と私の台所』(発行者:吉田和子)


Information

施設名 やまさ園直売所

住所   神奈川県三浦市南下浦町上宮田3390−2

営業日  月・水・金

アクセス 京浜急行「三浦海岸駅」から徒歩約5分

「大根もよう」のキッチンタオル取り扱い店

■みうら夜市(2025年10月4日、5日)にて先行販売開始


■10月中旬から三浦市内各所ほかで取り扱い開始予定

詳細は順次公開します


商品の詳細はこちらから



Writer 

いとうまいこ


大学卒業後、大手家電メーカーで商品企画や展示に関わる。そのときの経験からテキスタイル(布)に関わる仕事をしたいと考え、2023年にテキスタイルのギャラリー「Casa de paño」を鎌倉で開業。展覧会やワークショップの企画に加え、三浦半島の豊かな自然や生き物、暮らしをモチーフにした布製品の商品企画を行っている。本企画は、三浦半島で暮らす人・営む人へのインタビューをもとに、もようのデザインを通して地域の魅力を再発見し共有する試みです。


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© Casa de paño.

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