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【三浦野菜デザインvol.6】 こだわりかぼちゃの美味しい秘密(1)強い日差しから、かぼちゃを守る

更新日:4月27日



連載企画の概要

【連載】三浦野菜の作り手を知り、魅力を伝えるデザインプロジェクト

地元良品JOURNEY三浦半島篇と鎌倉のテキスタイル研究所Casa de pañoとのコラボ企画「三浦野菜デザインプロジェクト」三浦野菜の作り手や届ける仕事に携わる人にインタビューを行い、その魅力を「もよう」で表現します。完成したデザインはテキスタイル(布)となり、地元の人にも訪れた人にも長く愛される布製の日用品に展開します。


デザインは、旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告や絵本などのイラストレーションを手掛けるイラストレーターのスズキトモコさんが担当します。


地元良品JOURNEY三浦半島篇と鎌倉のテキスタイル研究所Casa de pañoとのコラボ企画「三浦野菜デザインプロジェクト」。夏野菜第2弾は、スイカと同じく三浦の夏野菜の代表と言われる「かぼちゃ」です。


今回は、三浦市三戸にあるsinbayfarmで、三浦の特産ブランド「こだわりかぼちゃ」を取材しました。


『三浦のこだわりかぼちゃの美味しい秘密』(1)強い日差しから、かぼちゃを守る



6月中旬、大きな緑の葉が一面に広がるかぼちゃ畑を訪れると、一つ一つのかぼちゃに丁寧に日焼け止めテープを貼るsinbayfarmの石田健さんの姿がありました。





6月は、強い日差しでかぼちゃが日焼けしてしまうデリケートな時期。そのため、実を一つずつ日差しから守る作業が、この時期の大切な工程なのだそう。


「日焼けをすると皮が黄色くなるだけでなく、中身も傷んで味が落ちてしまいます。年々日差しが強くなるので、使うテープも今年から新しくしたんです。」





石田さんが見せてくれたのは、光を遮る白いラミネート加工のかぼちゃ専用テープ。腰ベルトに装着しテープホルダーのように使うことで、両手が空き、葉をかき分ける作業とテープを貼る作業がスムーズに行えるそうです。


約45cmほどもある大きな葉の下から実を見つけると、手際よくテープを引き出し、かぼちゃを優しく覆っていく。日々の試行錯誤から生まれた無駄のない一連の所作が、とても印象的でした。





石田さんが日焼けから守りながら大切に育てているのは、三浦の特産品「こだわりかぼちゃ」。その歴史は、昭和50年代に三浦半島で始まった「みやこ」という品種の栽培が原点です。粉質で食味の良いこのかぼちゃの美味しさをさらに追求し、平成元年に農協が独自の栽培基準を設けた「こだわりかぼちゃ」が誕生しました。「かながわの名産100選」にも選定されている、三浦が誇るブランドかぼちゃです。





栽培基準のこだわりは、土壌づくりから始まります。主に使用するのは、特別にブレンドされた有機質肥料(ぼかし堆肥)。自然の力でじっくり熟成させることで、栄養価(ビタミンA、カロテンなど)も高まるそうです。


そして最大の特徴が、畑での熟成期間へのこだわり。通常のかぼちゃが約30~35日で収穫されるところを、「こだわりかぼちゃ」はその1.5倍近い45~50日間も畑に置かれます。この追加の15日間こそが、他にはない栗のようなホクホク感を育むヒミツだそう。


さらに、収穫前には徹底した品質チェックを行います。三浦市農協職員の立ち合いのもとで試し切りを行い、完熟していることを確認するなど、出荷基準は厳格に定められています。




完熟したかぼちゃの見分け方を石田さんに尋ねると、

「こだわりかぼちゃは、黄色が濃く、皮の近くと色味がはっきり分かれているのが特徴。皮の近くが黄緑っぽくなっているのは、まだ熟していないサインなので、しっかりと追熟させないと。」





これらすべての関門をクリアした証が、お店でかぼちゃに貼られている「こだわり」のシール。見かけた際は、ぜひ、「こだわりかぼちゃ」のホクホク感を味わってみてください。



どんどん緑が濃くなるかぼちゃの姿を見るのが、日々の喜び



春先にポットで芽を出した種は、4月上旬に畑へ。約2か月後には、葉が30cmもの高さに育ち、緑の列が整然と並んでいます。その美しい光景から、隅々まで丁寧な手入れが行われていることが伝わってきました。





「ツルがどんどん伸び、芽がわきから出てくるので、日々、脇芽をとる作業は欠かせません。空気が貯まってしまうと、カビが生えて病気になってしまうので、風通しを良くしてあげることを心がけています。地道な作業の繰り返しですが、こうしてかぼちゃの皮の緑がどんどん濃くなって、元気に育っていくのを見るのが一番のやりがいですね。」





そう語る石田さんのかぼちゃへの眼差しはとても優しく、カボチャへのたくさんの愛情が感じられました。7月上旬には完熟し、いよいよ収穫の時期を迎えます。次回は、大切に育てられた「こだわりかぼちゃ」の収穫の様子をお届けいたします。


取材日 2025/06/12

写真提供 日本テレビ

撮影   Yoichi Tsunoda



SKETCH




GALLERY

スズキトモコさんと筆者と石田さん。丁寧に手入れされた畑でお話を伺いました。
スズキトモコさんと筆者と石田さん。丁寧に手入れされた畑でお話を伺いました。
強風にも負けないよう、かぼちゃの「巻きひげ」が自らネットに力強く絡みつき、つるを固定していきます。
強風にも負けないよう、かぼちゃの「巻きひげ」が自らネットに力強く絡みつき、つるを固定していきます。

まだ地面の緑色のシートがよく見える、5月のかぼちゃ畑。6月になると、一気に葉が生い茂り、シートはほとんど隠れてしまいます。(提供:sinbayfarm)


プッチーニや坊っちゃんなどのミニカボチャの栽培も。


晴れた日には、農場から富士山が見えるそう。(提供:sinbayfarm)



Designer 

スズキトモコ / イラストレーター


新潟生まれ、東京都在住。武蔵野美術大学卒業後、映像制作会社に勤務したのち、フリーランスに。昭文社の旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告、キャラクター、教科書や絵本などのイラストレーションを手掛ける。2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。


Information

施設名 Sinbayfarm

住所  三浦市三浦市初声町三戸


Writer 

いとうまいこ


大学卒業後、大手家電メーカーで商品企画や展示に関わる。そのときの経験からテキスタイル(布)に関わる仕事をしたいと考え、2023年にテキスタイルのギャラリー「Casa de paño」を鎌倉で開業。展覧会やワークショップの企画に加え、三浦半島の豊かな自然や生き物、暮らしをモチーフにした布製品の商品企画を行っている。本企画は、三浦半島で暮らす人・営む人へのインタビューをもとに、もようのデザインを通して地域の魅力を再発見し共有する試みです。



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© Casa de paño.

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