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【三浦野菜デザインvol.10】 こだわりかぼちゃの美味しい秘密(2)美しさと鮮度を守る出荷前のひと手間

更新日:4月27日



連載企画の概要

【連載】三浦野菜の作り手を知り、魅力を伝えるデザインプロジェクト


地元良品JOURNEY三浦半島篇と鎌倉のテキスタイル研究所Casa de pañoとのコラボ企画「三浦野菜デザインプロジェクト」三浦野菜の作り手や届ける仕事に携わる人にインタビューを行い、その魅力を「もよう」で表現します。完成したデザインはテキスタイル(布)となり、地元の人にも訪れた人にも長く愛される布製の日用品に展開します。


デザインは、旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告や絵本などのイラストレーションを手掛けるイラストレーターのスズキトモコさんが担当します。


地元良品JOURNEY三浦半島篇と鎌倉のテキスタイル研究所Casa de pañoとのコラボ企画「三浦野菜デザインプロジェクト」。夏野菜第2弾は、スイカと同じく三浦の夏野菜の代表と言われる「かぼちゃ」です。


今回は、三浦市三戸にあるsinbayfarmで、三浦の特産ブランド「こだわりかぼちゃ」の収穫を取材しました。



「今年は、雨が少なくて暑すぎますね」


7月上旬、じりじりと太陽が照りつけるかぼちゃ畑では、三浦の「こだわりかぼちゃ」を一つ一つ丁寧に収穫するsinbayfarmの石田健さんの姿がありました。


年々厳しさが増す暑さは、収穫にも大きな影響を与えています。「こだわりかぼちゃ」は、畑でじっくり完熟させるのが特徴で、本来は交配から45日目を目安に収穫します。しかし、高温が続くと“熟しすぎ”や“日焼け”といった品質低下のリスクが高まってしまいます。


そのため近年は、日数に加えて積算温度からも状況を判断し、40日目前後に試割りで完熟具合を確認し、収穫をスタートしています。







日焼けから守るため、紙テープに覆われているかぼちゃ。テープを剥がす瞬間まで、中身が無事かどうかは分かりません。


「日焼けしたところは皮が白くなって、その部分の中身も水分が抜けて白くなります。日焼けがひどい場合は、傷んで皮が柔らかくなってしまうんです。その部分以外はもちろん食べられますが、商品価値はもうありません。もったいないですが、こうなると廃棄ですね」と、日焼けしてしまったかぼちゃを手に、残念そうに教えてくれました。





厳しい環境の中でも、より良いかぼちゃを届けたい。その想いから、石田さんは新たな日焼け対策を試みていました。従来の茶色いテープに加え、より遮光性の高い、白いラミネート加工の「かぼちゃ専用テープ」を試験的に導入したのです。





「資材費はかかってしまいますが、かぼちゃ専用テープのおかげで、今年は日焼けがぐんと減りました。表面がぼこぼこして、緑がはっきりしている理想のかぼちゃが、昨年より多く収穫できています」と、ほっとした表情を見せてくれました。




くるくる踊って、うぶ毛と土を落として、ツルツルお肌に!



収穫を終えたかぼちゃは、いよいよ出荷準備へ。最初の工程は、専用の機械での“かぼちゃ磨き”です。自動回転するブラシの上に乗せると、かぼちゃたちは小さく跳ねながらくるくると回転。まるでダンスを踊っているようで、なんとも可愛らしい光景です。





実は、この工程の目的は土を落とすことだけではありません。


「かぼちゃの皮には細かい産毛が生えているんです。だから触ると少しざらざらしています。」と、石田さん。この産毛も一緒に取り除くことで、ようやく私たちがよく知る、あのツルツルとした肌になるのだそうです。





次の工程は、ヘタの周りのくり抜き。スプーンを手に、一つひとつ丁寧にヘタの周りをくり抜いていきます。


「ヘタの周りは水分が多く、そこが傷んで臭いが発生し、虫がよることがあるんです。」と、石田さん。





なんと1日に約800個ものかぼちゃのヘタの周りを、すべて手作業でくり抜いているそう。一つのかぼちゃが私たちの元に届くまで、これほどの手間と時間がかけられている。その地道な作業の積み重ねと生産者の想いを知り、胸が熱くなりました。


たくさんのこだわりと愛情を込めて育てられた、三浦特産の「こだわりかぼちゃ」。旬を迎える7月中旬に三浦を訪れた際には、ぜひその格別な味わいをぜひご堪能ください。


取材日  2025/07/10

写真提供 日本テレビ

撮影   Yoichi Tsunoda



GALLERY


皮の緑と黄色がくっきり分かれているのが、熟成した美味しさの証です。収穫したては、とても瑞々しい。


箱詰め作業の前に、「こだわりかぼちゃ」の証であるシールが貼られていきます。


Sinbayfarmでは、こだわりかぼちゃを1日に約800個出荷しているそう。



Information

施設名 Sinbayfarm

住所  三浦市三浦市初声町三戸

オンライン直売 産地直送の宅配通販サイト「産直オウル」にて、季節野菜を販売(不定期)



Designer 

スズキトモコ / イラストレーター


新潟生まれ、東京都在住。武蔵野美術大学卒業後、映像制作会社に勤務したのち、フリーランスに。昭文社の旅行ガイドブック「ことりっぷ」を始め、広告、キャラクター、教科書や絵本などのイラストレーションを手掛ける。2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。



Writer 

いとうまいこ


大学卒業後、大手家電メーカーで商品企画や展示に関わる。そのときの経験からテキスタイル(布)に関わる仕事をしたいと考え、2023年にテキスタイルのギャラリー「Casa de paño」を鎌倉で開業。展覧会やワークショップの企画に加え、三浦半島の豊かな自然や生き物、暮らしをモチーフにした布製品の商品企画を行っている。本企画は、三浦半島で暮らす人・営む人へのインタビューをもとに、もようのデザインを通して地域の魅力を再発見し共有する試みです。


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© Casa de paño.

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