
「テキスタイルデザイナーが生み出す美しい布を日常で持ち歩けるプロダクトを作りたい」という想いから、地元の人にも湘南に訪れた人にも長く愛される布製の日用品を制作するプロジェクトをスタートしました。
湘南の豊かな自然や生き物、街並みがモチーフとなったデザインを通して、ふとした瞬間に湘南の景色に想いを馳せ、自分たちの街の魅力や好きなところを再発見する。そんなローカル商品をお届けできたらと思っています。
プロジェクト第1弾は、江ノ電沿線の街で暮らす人、営む人へのインタビューから、海辺暮らしの「日常」にある小さな楽しみやワクワクが詰まったファブリックカレンダーを発表いたします。デザインを手掛けるのは、河口湖柄や横浜柄など地域もようをテーマに活動をしているテキスタイルデザイナー、吉岡陽子さんです。
テキスタイルデザイナー吉岡 陽子さんとの出会い
きっかけは、東京造形大学の有志卒業制作・修了制作展 『OVERTURE』。旅行をテーマにした観光カレンダーのような生地の展示に吸い込まれるように近づいてみると、楽し気なモチーフが所狭しと描かれており、布を通してその街の景色を思い浮かべることがとても楽しく、いつか吉岡さんデザインの湘南もようの生地が誕生したら素敵だなぁと思ったのが始まりでした。
地域もようをテーマにしたプロジェクトに取り組みたいと思ったきっかけは、吉岡さんの作品の存在がとても大きいです。「いつか」と思っていたけれど、気が付けば1年も経たずしてカフェで商品企画の打ち合わせを始めていました。

テキスタイルを部屋に飾る楽しさを伝えたい
テキスタイルに心奪われたきっかけは、今から7年前。当時住んでいた賃貸の家には、ダイニングとキッチンの間に立ちはだかる謎の大きな壁にピクチャーレールが設えてあり、絵を飾るような感覚でテキスタイルを季節に合わせて飾り始めました。色鮮やかで愛らしい動物がモチーフとなった大柄の、お気に入りのプリント生地を飾ったり、フィンランドの旅や近所の生地屋さんで何を飾ろうか考えながら一生懸命選んだ1枚を飾ってみたり。帰宅して明かりをつけると一番初めにテキスタイルが包み込みように優しく出迎えてくれ、どんな日も眺めるだけで気持ちがほっこりするテキスタイルに、どんどん魅力されていきました。
作家と職人によって生み出されるテキスタイルは決して安価なものではありませんが、アート作品より購入しやすい価格帯なので、季節や気分に合わせて飾る生地を変えて模様替えを楽しむことが出来るのも布ならではの良さだと思います。またその後、生地で何を作るかを考えるのも楽しみの一つだと思います。

「私も、大きな生地がゆらゆらとなびく姿を眺めているだけで、幸せな気分になるんです。大きな生地を部屋に飾る提案をしてみたいです。」
吉岡さんのそんな一言から、プロダクトのアイデアがどんどん広がりました。そして壁に飾るアイテムとして身近な「カレンダー」に着眼。大判のハンカチや風呂敷サイズであれば気軽に部屋に飾ることができ、インテリアのアイテムとしても取り入れやすいはず!と考え、ファブリックカレンダーを制作することにしました。
ニュートラルカラーのカーテンやインテリアが好まれ、サイズもコンパクトな居住空間の日本ですが、このファブリックカレンダーを通して、テキスタイルをアートのように飾る楽しさが広がると良いなと願っています。

アイデア次第で自由自在な使い方ができるのが布の面白さ
タペストリーとして壁に飾るのはもちろん、布ならではの良さを活かして、レギュラーサイズはお弁当包みやバンダナとしてもぴったりです。カレンダーの数字がアクセントに。

BIGサイズは風呂敷として活用したり、コンパクトに畳むことができるので、海や公園に行くときはバックに忍ばせてピクニックシートとして使うのもおすすめです。ぜひ、自分だけの布の活用術を見つけてみてください。

後編では、吉岡さんの模様作りやカレンダーの制作エピソードなどをご紹介いたします。
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