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日常の楽しみが詰まった "海辺のテキスタイル"(後編)


街歩きとインタビューから湘南エリアの日常の暮らしをとらえ、丁寧に描く

観光地として賑わう街の顔と、住民が長閑に暮らす海辺の街の顔を併せ持つ湘南エリア。

地元ならではの楽しみや宝物をデザインで表現し、ふとした瞬間に湘南の景色に想いを馳せることができるテキスタイルを目指して、制作がスタートしました。

テキスタイルデザイナーの吉岡さんと一緒に街歩きを定期的に行うと同時に、何気ない日常を捉える為に江ノ電沿線の街に「住まう人」「商う人」にインタビューを行いました。鎌倉を拠点に活動している設計事務所、ガーデンデザイナー、コミュニティースペースに集うメンバー、ケーキ屋さん、日用品を取り扱う個人店、漁師、Casa de pañoにご来場くださったお客様、友人など。一人ひとりの中に大切なエピソードがあり、街の捉え方や好きなところは十人十色。


「生まれ育った地域のことを今までほとんど知らなかったんだ!」と感じるほど、毎回新鮮な発見があり、気が付けば約4か月間インタビューを続け、約80個近くのモチーフの種が集まりました。そして、ひとつひとつ丁寧に手書きでモチーフを描き起こしました。


「本気の落書き」のような感覚で、描きたいものをたくさん描いて、その後レイアウトを考える
「本気の落書き」のような感覚で、描きたいものをたくさん描いて、その後レイアウトを考える

思わずくすっと笑ってしまう要素がいっぱい

吉岡さんのテキスタイルの特長のひとつは、テキスタイルを眺める距離によって見え方が変わること。遠くから見ると、稲村ヶ崎周辺から見た江ノ島の景色になっており、近づいて見てみると、「巳」の上でお祭りを楽しむ住民、湘南の海で採れる魚たち、マリンスポーツを楽しむ姿、うっかりトンビに食べ物を奪われる姿などが、ユーモアを交えながら描かれています。人のポーズもひょうきんな感じを意識して描き、特に気に入っているのが御朱印帳を広げている人だそう。



大学2年生の時に彫刻科から転学して以来、約8年間パターンデザインと実直に向き合う吉岡さん。一緒にプロジェクトを進める中で、テキスタイルに対する実直さと情熱がひしひしと伝わってくる一方で、時折ヘンテコアイデアの引き出しを覗かせてくれます。


もっと吉岡さんワールドを知りたいと思い、学生時代の作品を先日見せていただきました。すると、幼い頃パンジーとチンパンジーの違いがわからなかった思い出を柄にした「チンパンジーとパンジー」、動物が隠れてイタズラしあいっこしている柄、ピザ工場柄など、愉快な物語やアイデアが詰まったテキスタイルがいっぱい!どんな時もユーモアを大切にデザインを考えるのが、吉岡さんの魅力でもあります。


絵探しあそびも楽しい

遊び心が詰まったファブリックカレンダーと睨めっこすればするほど、くすっと笑ってしまい、とても愉快な気持ちになります。そして、海辺暮らしの楽しみや宝物探しを楽しんでいただけたらと思い、カレンダーの帯の裏面を「絵探しあそびカード」にしました。

しかし、カードには掲載しきれないほどのたくさんのエピソードが隠れています!ぜひ、お気に入りの登場人物やお祭りを見つけて、自由自在に絵探しあそびをお楽しみください。

撮影:角田洋一


→日常の楽しみが詰まった "海辺のテキスタイル"(前編)の記事は、こちら →SHONAN LOCAL TEXTILE Projectについてはこちら

© Casa de paño.

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