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イベントレポート:100年先も遺したい街並みと文化 腰越案内

漁師&腰越のまちづくりのファシリテーター中丸潤さんと江ノ島電鉄 地域共創担当の大木伸樹さんをゲストにお迎えし、トークイベント「100年先も遺したい街並みと文化 腰越案内」を開催いたしました。


鎌倉と江の島という一大観光スポットの陰に隠れ、同じように海岸線を持つ由比ヶ浜・稲村・七里というお洒落エリアとは一線を介し、でも独特のノスタルジックな雰囲気と文化を持ち、魅力溢れる知る人ぞ知る腰越。


そんな腰越エリアに魅了されたのは、テキスタイルデザイナーの吉岡陽子さんと共に制作した「海辺のテキスタイル」の取材の中で、中丸さん(通称:腰越王子)に出会ったのがきっかけでした。取材後も何度か腰越を訪ねるうちに、「もっと腰越の漁業や商店街について知りたい!」「テキスタイルを通して多くの方に腰越の魅力を伝えたい!」と思い、座談会スタイルのトークイベントを企画しました。



イベント当日は、鎌倉エリアを中心に活動されている釣り好きの建築家、腰越の隣町で幼少期を過ごしたフォトグラファー、ご近所のギャラリーオーナー、企業のブランディングを行っている方など、多種多様な方が集まりました。共通しているのは、「腰越地域が気になる!」ということ。


アットホームな雰囲気の中でイベントが始まり、初めに中丸さんから、腰越漁港で採れる伊勢海老、ヒラメ、宗田鰹などの水産物の紹介や、地元の人が一致団結して盛り上がる「小動神社天王祭」のお話を伺いました。地元のみんなが心待ちにしている「天王祭」の土橋町の祭典部長を務める中丸さんは、新しく腰越に引っ越してきた方や若い世代の方もお祭り仲間として温かく迎え入れ、代々受け継がれる盛り上がりを継続しながら新しい取り組みを行っています。


神輿と江ノ電が併走する光景を動画で見ながら、「どんなに酔っぱらっていても誰も江ノ電にぶつからないからすごい」と、中丸さん。ぶつかってしまうと、お祭りが無くなってしまうという危機感が自然と皆の中にあるのだそう。この光景は決して当たり前なのではなくて、住民と江ノ電が共に守り続けている大切な伝統であることを、改めて感じました。


続いて江ノ島電鉄の大木伸樹さんは、江ノ電と商店街が共存する唯一無二の街並みの魅力について語ってくださいました。一方で、高齢化や相続の問題などで、商店を畳んだ跡地が住宅へと変わっている現状についても教えてくださいました。


「誰かが立ち上がらなければ賑わいは無くなってしまう。住んでいる人は当たり前でわからないけど、残していかないといけない。だから、建築家と一緒に街の景観を守る活動を始めている。」そんな大木さんのお話しから、この先も腰越の景色を守っていきたいという熱い思いがひしひしと伝わってきました。


その後、参加メンバーと一緒に、どこの地域でも起こりうるシャッター街の課題について話し合ったり、釣りの話で盛り上がったり、一人一人の中にある腰越の印象を共有しているうちに、「腰越を一緒に盛り上げたい」と言ってく出さる方も!


「腰越の人に限らず多くの方に興味を持ってもらい、一緒に街を盛り上げる一員となっていただきたいと日ごろから考えており、参加メンバーの方に腰越を一緒に盛り上げたいと言ってくれる方がいたのが凄く嬉しかった」と、大木さん。


そしてなんと、トークイベントで知り合った仲間とその日のうちに飲みに行ったと後々聞いて、なんだかとても嬉しくなりました。このトークイベントでの出会いががきっかけとなり、腰越にどんな新しい風が吹き込まれるのか楽しみです。


江ノ電が真ん中を走る商店街という他に例を見ないシチュエーションの商店街の景色を守ろうと奮闘するお二人の貴重なお話と腰越愛に触れ、テキスタイルという切り口から街の魅力を伝える試みをこれからも継続して続けていきたいと改めて感じた一日でした。


ご参加くださったみなさま、改めてありがとうございました。


Photo:角田洋一


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