自分だけのオリジナルもようの手ぬぐいを、シルクスクリーンでハンドプリントするワークショップを開催いたしました。
聞き馴染みがない方も多い「シルクスクリーン」。実は、Tシャツやトートバッグなどの身近な布製品によく使われており、版型を使ってメッシュ状の穴から顔料を染み出させて柄をつける捺染技術です。工業製品とは異なり、人の手で微妙な調整をしながら丁寧に作り上げる捺染には、ぬくもりや味わいがあります。そんなシルクスクリーンの魅力や楽しさを、テキスタイルデザイナーの吉岡陽子さんがワークショップを通して教えてくれました。
最初に、吉岡さんの横浜柄の新作テキスタイルをみんなで眺め、どこで生地がリピートされているかを考えたり、捺染工場での制作動画を見ながらシルクスクリーンについて一緒に学びました。職人さんが手染めしている様子を初めてご覧になる方も多く、興味津々。
シルクスクリーンについてイメージが湧き始めたところで、手ぬぐいの模様づくりをスタート。
リス、カニ、貝殻、鎌倉野菜、電車、海で遊ぶ子供など、「初夏の鎌倉散歩」をテーマに吉岡さんが描いた個性溢れる絵柄シールをの中から好きなシールを選び、台紙に自由にレイアウトしていきます。
迷いなくテンポよく配置を考えるお子様の姿をみて、「年を重ねるとついつい迷っちゃうのよね~」なんて声も。そして、愛馬や最近動物園で見た羊など、リクエストに応じて吉岡さんがその場で描き下ろし、オリジナル模様が完成しました。その後、模様をスキャンカットで読み込み、機械のきめ細やかな動きを眺めながら、版の出来上がりをワクワクしながら待ちました。
ここからは慎重な作業が続きます。
シールタイプの版をしわが出来ないようにフレームに張り付けたり、大きなフレームと手ぬぐいが平行になるように丁寧に置きます。そして、理想の色を調合し、スキージ(へら)を使って勢いよく刷ります。30㎝×30㎝の版は思った以上に大きく、みんな上半身を使って力強くスキージをフレームの上で滑らせ、「スー、スー」と心地の良い音がスタジオに広がりました。
大人も子供もみんな、大きな版をそーっと持ち上げて、布に綺麗にプリントできているかを確かめる瞬間のドキドキの表情、そして目をまん丸くして喜ぶ姿がとっても印象的でした。
模様のデザインや、手捺染の布づくりの過程を体験することを通して、つくり手の視点に想いを馳せるきっかけになれたら嬉しいです。これからも定期的に、シルクスクリーンの楽しさを伝えるワークショップを開催出来たらと思います。
改めて、ワークショップにご参加くださった皆様、ありがとうございました!
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