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イベントレポート「ウィンメルブックの世界を旅しよう」

鎌倉ウィンメルブックを企画・制作しているセノアトリエの妹尾和乃さんが、絵本の親子ワークショップを開催いたしました。


スタジオのドアを開けると、妹尾さんがスイスやドイツで出会ったウィンメルブック、日本で出版されている絵が主役の絵本、そして鎌倉ウィンメルブックの1ページが印刷された大きなタペストリーが目に飛び込んできます。子どもも大人もワクワクしながら絵本を手に取り、ウィンメルブックの世界への旅の準備を始めました。



旅の始まりのアイスブレイクは、カードゲームで物語づくりゲーム。

世界15か国でベストセラーとなったウィンメルブック「さがしてあそぼう」シリーズ(Rotraut Susanne Berner作)を用いたゲームで、現地の幼稚園でも行われているアクティビティだそう。

用意されたのは登場人物毎に2枚のカード、よく見ると全く同じカードではありません。例えば、学生のカードであれば歩きながら本を読むシーンと、山積みの本を抱えて歩くシーンの2枚があり、その間に生まれるストーリを考えてみるゲームです。


妹尾さんが今回のワークショップで大切にしていることは、「大人が自ら楽しむ」「まずは大人が言ってみる/やってみる」。そこで、大人から小さなストーリーを考えて、子どもたちの前で発表しました。続いて、張り切る子ども達。カードを2組つなげて長いストーリーを発表したりと、自由に表現を楽しむ雰囲気が自然と生まれ始めました。



未就学メンバーが多い回のアイスブレイクは、虫眼鏡を片手に世界のウィンメルブックを丁寧に覗いてみました。2年前までドイツに住んでいた参加メンバーは、家族で暮らしていた街が舞台となっているウィンメルブックを持ってきてくれました。「ウィンナー売りのおじさんは、本当にこの人だったよ!」「春になるとここでお祭りがあって... 」と、絵本を通じてドイツでの楽しい思い出や街の様子を共有することができ、実在の場所が舞台となっているウィンメルブックの魅力を改めて実感しました。



そして、妹尾さんが日本でウィンメルブックの魅力を伝えたいと思うきっかけとなった、チューリッヒの動物園が舞台の大型ウィンメルブックをみんなで囲みました。ページをめくりながら、同じ動物がどこに隠れているかを、一生懸命探しました。じっくりと絵を眺めながら、発見すると「いた!」「ここ!ここ!」と大盛り上がり。



そしてウィンメルブックの世界が少しずつ見えてきたところで、いよいよ鎌倉ウィンメルブックの登場です。鶴岡八幡宮と大船の街が描かれているページを見ながら、気になる登場人物に吹き出しをつけてみるアクティビティにチャレンジしました。制作秘話をお伺いしたり、「何が聞こえる?」「何が見える」「どんな事考えているかな?」など、登場人物の五感を想像するきっかけとなる妹尾さんの声掛けで、子どもも大人もオリジナルのストーリーを紡ぎ始めました。



「お兄ちゃんが海でトンビに唐揚げを食べられてしまった」という実体験から、トンビの吹き出しを考えるメンバーや、登場人物の気持ちを絵で表現するメンバーも。日々の体験を共有している親子だからこそ、一緒にストーリーを考えることで物語づくりが弾み、親子プレゼンテーションでは十人十色の解釈が生まれました。



旅の締めくくりは、「君が鎌倉ウィンメルブックに登場してみよう!」

スイスの幼稚園で日常的に楽しまれている演劇のワークを参考に、鎌倉ウィンメルブックの新たな物語を想像してみるアクティビティです。「八幡宮が舞台のページの中で、どこの場所に登場してみたい?」「もし魔法使いや王様になりきって登場するとしたら、どんな魔法使いや王様になりたい?」などの問いかけをもとに、絵本の世界にぐっと入り込み親子で作戦会議をしました。そして、アイデアがまとまったところで、色とりどりの布や小道具を用いて変身!

今回は、初めて訪れた場所で初めましてのメンバーだったため、みんな恥ずかしくなってしまい変身時間はほんの僅かでしたが、空想を現実の世界で表現することの楽しさを少しだけみんなで共有することができました。



お土産は、ウィンメルブックに登場する「カエル社長」をモチーフにしたアイシングクッキー。鎌倉にあるfuruirelさんが、オーダーメイドで作ってくださいました。子どもも大人も思わず大喜び!

ウィンメルブックの世界の旅にご参加くださった皆様、ありがとうございました。旅をきっかけに、ウィンメルブックをはじめとした、絵が主役の絵本の楽しみ方のアイデアが広がり、親子の絵本時間がより豊かになりますように。




〇旅のこぼれ話〇

ワークショップで使用する衣装や小物の一部の素材は、ドレス専門店からいただいた残布や倉庫で眠っていたバレエ衣装の一部。雑貨作家のエンドウレマさんが、残布からイメージを膨らませながら、王冠、ケープ、ステッキ、ヘア小物などを、ひとつひとつ丁寧に制作してくださっています。例えばステッキのブルーのチュールレースのリボンは、バレエ衣装の腕飾りをほどいて作ってくださいました。

今から約2か月前。フルオーダーメイドのフラドレス専門店 湘南リアス様のアトリエで出会った衣装ケース5箱ほどにびっしりと詰まった色とりどりのシフォン素材やサテンの残布が、こんなにも夢の詰まった衣装や小物に大変身。目をキラキラさせながら身に着けた子供たちとお母さん。自然と絵本の世界に入り込み、イマジネーションが広がるきっかけになりました。




Special thanks:

本ワークショップは、多くの方の心温まるサポートのおかげで無事に開催することができました。

この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。


・衣装の素材協力 :

フルオーダーメイドのフラドレス専門店 湘南リアス様 @shonan_riasu

バレエ衣装専門店Chutti様 @chutticostume


・衣装制作:雑貨作家 エンドウレマ様


・撮影:Masaaki Yoshida  https://masaaki-yoshida.com


© Casa de paño.

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